熱に弱いコンポーネントを設計に取り入れるシステム設計者にとって、システムの放熱を抑制することが常に課題となります。最先端の設計で小型化が進み、密閉された設置環境での高速演算とデータ処理が高熱を発するため、この問題が深刻化しています。
超広範囲温度対応のメモリーは、通常の産業グレードの温度範囲をさらに超えて-40°C~125°Cに対応することで、問題の一歩先へ進みます。
温度範囲を拡張させることは、以下のアプリケーションで非常に大きな効果を発揮します:
自律走行車は、換気の悪い小さなエンクロージャーの増加するデータ処理要求と、その影響での高温放熱の二重の問題に対処しなければなりません。
ファンレスの組込みシステムは冷却フィンやファンをつけられないような過酷な環境で動作することが多く、システム温度が仕様を超えるとクラッシュしたり破損する可能性があります。
ミッションクリティカルなシステムは、電子機器を劣化させやすい環境で完璧に安定して動作しなければなりません。また、システムを破損させる可能性があるような温度環境で使われることは珍しくありません。
産業グレードのDRAMで通常用いられる30µインチの金メッキ端子よりも、堅牢性と信頼性に優れた接続を実現します。
熱ストレスと機械的ストレスから、繊細なはんだ接合部を保護して強化します。
繊細な部品に保護層を追加し、銀合金の硫黄腐食から保護します。
内蔵のサーマルセンサーがコンポーネントの温度を正確に測定して追跡します。
金メッキ端子の挿抜試験(100サイクル)
米国MIL-STD-810G規格
ISTA-1A (国際安全輸送協会)
EIAJ-4072(電子情報技術産業協会)
超広範囲温度DRAMモジュールは、より広い範囲の温度に対応する、ただそれだけでコンピューター設計での最大の障壁を解消する可能性を秘めています。この開発により、前述のシステムすべてで設計を一元化できます。こうした市場の自然な成長と合わせ、将来が期待されます。自律走行車の市場は明るい見通しを示しており、最近実施された市場調査の報告によると、需要は2020年の233.3億ドルから2026年の648.8億ドルへ増加する見込みで、これは2021年~2026年で年平均成長率22.7%です。